【アジア大会選考会・織田幹雄記念国際100m前日】

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【アジア大会選考会・織田幹雄記念国際100m前日】
山縣とケンブリッジが激突。2016年日本選手権の再戦が激しくなれば9秒台も

 リオ五輪4×100mリレー銀メダルメンバー同士、山縣亮太(セイコー)とケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が男子100mで対決する。短距離種目のアジア大会選考レースは今大会が初戦。レース前日の2人にピリピリ感はまだ感じられないが、2人とも勝負強さが特徴の選手。いざレースになれば戦いは一気にヒートアップする。

 2018年陸上界最大の目標、4年に一度のアジア大会(8月にインドネシアのジャカルタ開催)の選考会である織田幹雄記念国際が4月28・29日の2日間行われる。メイン種目の多くは2日目の実施。大会初日に男子100mで日本人2人目の9秒台も期待される山縣、ケンブリッジらが記者会見をした。

 昨年、桐生祥秀(日本生命。当時東洋大)の9秒98に続き、10秒00を全日本実業団陸上で出した山縣は、「まずは優勝です」と勝負に意気込む。「国内外から強い選手が出場するので、しっかり勝つレースをしたい」
 会見は別々に行われたが、対するケンブリッジも「やっぱり負けたくない」と話した。「山縣さんはオリンピックでもどんな大会でも、自分の走りができる勝負強い選手。その山縣さんに勝って、自分も勝負強さを身につけたい」

 2人は2年前の日本選手権で激戦を演じている。
 リオ五輪代表を懸けた戦いは、山縣と桐生祥秀(日本生命。当時東洋大)の対決が予想されていた。ケンブリッジは5月に初めて標準記録を破ったが、前年までは故障が多く日本のトップを争った実績は乏しい。3番目の存在だった。
 雨中の戦いは山縣が好スタートを切ってリードを奪う。桐生は得意の中盤が伸びず、最後は脚も痛めて優勝争いから脱落した。
 山縣が逃げ切るかと思われたが、後半でケンブリッジが伸びてきた。フィニッシュ直前に山縣を逆転し、ケンブリッジが番狂わせに近い勝利を得た。
 ケンブリッジが10秒16、山縣が10秒17。0.01秒の戦いに勝利したケンブリッジは、そのレースで日本のトップに定着した。

 リオ五輪では山縣、ケンブリッジとも予選突破と、2人とも大舞台で力を出し切った。だが、準決勝では山縣が10秒05の五輪日本人最高タイムを出したのに対し、ジャスティン・ガトリン(米国)と同組のケンブリッジは硬くなって力を出し切れなかった。
 リオ五輪翌月の全日本実業団陸上でも、山縣が10秒03と自己新を出したのに対し、ケンブリッジは10秒15で敗れている。
 山縣のことを「どんな大会でも自分の走りができる」とケンブリッジが言ったのは、そういった経緯があるからだ。

 昨年の日本選手権は、ケンブリッジが3位でぎりぎりロンドン世界陸上代表入りを決めたが、直前まで故障をしていた山縣は6位で代表を逃している。ケンブリッジも予選で10秒08を向かい風0.9mの中で出して絶好調。9秒台が現実的になったが、準決勝・決勝と脚を痛めた影響で全力の走りができなかった。
 2人のガチ対決は、勝負を懸けたレースは16年の日本選手権以来、記録に重きのあるレースは16年全日本実業団陸上以来だ。

 前半に強い山縣、後半で追い上げるケンブリッジというレースパターンは変わらないが、この冬のトレーニングの成果がどう反映するか。
 ケンブリッジは米国アリゾナの陸上チームで、世界トップクラスの選手と4カ月トレーニングを行った。矯正した点の1つがスタートで、「特に序盤の20mで無駄な力を使わなくなった」という。スタートで山縣をリードすることは難しいが、そこで力を温存できれば中盤からスピードに乗りやすくなる。
 山縣もこの冬、中盤の走りをテーマにしてきた。
「昨年10秒00を出したレースで中盤の加速力に手応えが感じられました。なぜあの加速ができたのか、をしっかりと理解して、その加速をいつでも出せるように、あの感覚を忘れないようにしながら過ごすことが冬のテーマでした」
 ケンブリッジの中盤が強くなっていればば、終盤で逆転できる。
 山縣の中盤が強くなっていれば、終盤も逃げ切ることができる。
 2人とも中盤が強くなっていれば、後半がすさまじい争いになるだろう。そのとき、日本人2人目の9秒台が出る。

TEXT/photo by 寺田辰朗
【アジア大会8月開幕 TBS系列生中継】

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