【アジア大会8月18日開幕 TBS】

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【アジア大会8月18日開幕 TBS】
《日本選手権混成(アジア大会最終選考会)初日》
十種競技に新たなうねり。奥田&丸山の学生コンビが初日1・2位
右代&中村の代表コンビが最終日で意地を見せるか!?

 いつもの日本選手権混成とは大きく違う展開になった。
 十種競技(男子)の初日を4100点以上の高得点でリードするのは中村明彦(スズキ浜松AC)だったが、今年は奥田啓祐(東海大4年)が4174点で初日トップ。2位にも丸山優真(日大2年)が4114点で続いた。2連勝中の中村が4009点で3位、日本記録保持者で前回アジア大会金メダリストの右代啓祐(国士舘クラブ)は3935点で4位につけた。

 来週(6月22~24日)山口県開催の本大会前に、長野市で16・17日の2日間で行われている日本選手権混成。今年はアジア大会最終選考会を兼ねて開催されている。
 東京五輪スタンダード記録として陸連が設定した8100点を超えている選手は、大会前の段階では残念ながらゼロ人。日本選手権でスタンダード記録を破って優勝した選手は即時アジア大会代表に内定する。8100点を超えて2位の選手も、25日の陸連理事会で選ばれるのは確定的だ。
 誰もスタンダード記録を破らなければ、アジアメダル期待記録の7577点を超えた選手の中から、日本選手権の成績が上の選手から選ばれる。2人目が選ばれるかどうかは他の種目とのバランスを見て決められるが、前回アジア大会で金・銅メダルを取っている十種競技は2人選ばれる可能性が高い。
 有効期間内に7577点を超えているのは右代と中村の2人だけ。新戦力の台頭がなければ、前回金メダルの右代、銅メダルの中村がすんなり選ばれる雰囲気だった。

 ところが、初日トップに立ったのは5月の関東インカレ優勝者の奥田だった。最初の100mで10秒56と音部の十種競技中日本最高に0.03秒と迫ってリードを奪うと、2種目目の走幅跳と4種目目の走高跳で丸山に逆転されたが、5種目目の400mで再々逆転した。
 高校時代はやり投選手だったが、ヒジを痛めて混成競技に転向した選手。東海大では跳躍ブロックで練習を積んでいるうちに短距離が強くなったという。
「(初日リードするのは)当たり前だったと思っています」と、初日には絶対の自信を持っていた様子。だが2日目は、最終種目の1500mなど苦手とする種目が多い。「1つ1つ丁寧に競技をして、楽しんで戦いたい」
 初日トップで調子に乗るのでなく、地に足をつけて戦うスタンスだ。

 初日2位の丸山は八種競技の高校記録保持者で、昨年の今大会ではU20の部で、U20日本記録を叩き出して圧勝した期待の選手。2020年東京オリンピックに間に合うのでは、と混成競技関係者は期待している。
 だが、昨年9月の日本インカレ、今年5月の関東インカレと棒高跳で跳び始めの高さを3回失敗し“記録なし”の大失態を続けていた。
「今回は記録にも順位にもこだわらず、1種目1種目今できることをやって、“十種競技をやる”ことが全てです。右代さん、中村さんとの勝負は大切にしたいと思っていましたが、今回はそこまで意識していません。明日の棒高跳を修正するための十種競技です」
 10種目中1種目でも“記録なし”があったら、それは十種競技ではない。そこをまずクリアしなければ次に進めない、という考えだ。
 だが、2日目で課題の棒高跳で普通に記録を残せば、7700点オーバーの勢い。昨年のように自己新を連発すれば7800点台も期待できる。アジアメダル期待記録を突破して代表入り、という可能性のある選手なのだ。

 だが1日目終了時点で優位に立ったのは、2日目に得意種目が多い右代である。7900点前後は確実に届く計算で、8000点超えも期待できる。本人も学生2人の台頭を「自分と中村に続く選手が現れるのは良いこと。2人が初日4000点を超えたのは素晴らしい」と、この種目のリーダーとして歓迎しているが、「十種競技は2日目でどう戦えるか。学生2人がベストを出してくると思いますが、僕もその雰囲気に乗って良い記録を出したい。格の違いを見せたいと思います」と言い切った。
 2012年ロンドン五輪から代表を続けている右代。キングオブアスリートの大きさを見せつけるつもりだ。

 それに対して、右代とともに14年以降の国際大会代表を続けている中村は、2日目は苦手種目が多い。2日目の丸山の出来次第ではあるが、2位に入れない可能性も出てきた。アジア大会代表入りも、瀬戸際に立たされている。
 だが、TBS伊藤隆佑アナウンサーに話した中村(写真がそのシーン)の言葉からは、十種競技選手としての意地がにじみ出ていた。
「これまでも最後の1500mまで走りきって十種競技だと言い続けてきました。1500mの最後の1mまで逃げずに、あきらめずに戦っていきます」
 今季の中村は、砲丸投など投てき種目に手応えも感じているし、「2日目の種目にトレーニングの時間を費やしてきた」とシーズンイン直後に話していた。苦手の円盤投、やり投でいつもより得点を重ねられれば、最後は世界大会でも種目別トップを取ることがある1500mで力を振り絞る。自己記録を出したときの2日目は3902点。仮に3800点でも7800点となり、丸山との勝負は接戦が予想される。
 中村の十種競技選手としての意地が、円盤投・やり投の自己新連発に結びつく予感もする。

 日本陸連強化委員会の松田克彦五輪強化コーチは、1日目の結果を「ニューフェイスが出てきて十種競技が活性化している」と、新たな息吹を感じ取っている。
「混成競技は1人では強くなりません。右代が頑張っていたところに中村が台頭して、2人で日本のレベルを上げてくれました。今回も若い力が出てきて、ベテラン2人が意地を出したら良い循環になります。あと2年ですが、種目全体が活性化したら東京オリンピックも期待が大きくなる」
 日本の十種競技に新たなうねりが生じ始めた。それをしっかりと見届けたい。

TEXT/photo by 寺田辰朗

#アジア大会
#東京五輪 前最後の総合競技会
#TBS 系列生中継

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