【ゴールデングランプリ陸上 20日(日)午後3時 TBS】

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【ゴールデングランプリ陸上 20日(日)午後3時 TBS】
《ゴールデングランプリ展望コラム・投てき種目編》

男子ハンマー投は世界一のファイデク来日、“室伏以来”の80mスローなるか。女子やり投は新旧アジア記録保持者決戦!

 今年は投てき種目のアーチ合戦が激しくなる。
 男子ハンマー投では世界陸上3連勝中のパベウ・ファイデク(ポーランド)が来日。昨年は10試合で80mスローを見せた安定度抜群の選手である。
 日本の競技会での80mスローは、2008年9月のスーパー陸上(本大会の前身大会)では室伏広治(04年アテネ五輪&11年テグ世界陸上金メダリスト)が81m02、クリスチャン・パルシュ(ハンガリー)が80m67を投げ合ったのが最後。会場に行けばかなりの確率で、国内10年ぶりの80m台を目撃できそうだ。
 80mを超える選手の数は、ドーピング検査強化の影響か世界的にも減ってきている。昨年はファイデクとボイチェフ・ノビツキ(ポーランド)の2人、今年はニック・ミラー(ドイツ)1人しかいない。その3人全員が今大会に出場するのだから、世界一決定戦と言っても過言ではない。

 女子やり投では新旧アジア記録保持者の呂会会と劉詩穎、中国選手同士が対決する。
 優勝候補は圧倒的に、現記録保持者の呂の方だ。アジア記録を昨年のロンドン世界陸上の予選で投げ、決勝では銅メダルを獲得した。それに対して劉は世界陸上で8位。先週のダイヤモンドリーグ上海大会でも、呂が66m85の自己2番目の記録で快勝したのに対し、劉は54m60で10位と不本意な結果に終わった。65m以上の回数も呂が完全に上である。
 だが劉にとってゴールデングランプリは、昨年アジア記録を投げたゲンの良い大会。8月のアジア大会(ジャカルタ)の前哨戦としても、呂の独走状態にストップをかけたい。
 そして女子やり投には15年北京世界陸上金メダリストのカトリナ・モリトル(ドイツ)も参戦する。安定性に欠ける選手で昨年の世界陸上7位、先週のダイヤモンドリーグ上海大会も7位だった。
 だが、北京世界陸上で投げた自己記録は、10cmだが呂のアジア記録を上回る。北京の再現ができ、中国勢に勝てば世界的にもビッグニュースになる。

 男子やり投の注目点は、鄭兆村(チャイニーズタイペイ)が“台北の再現”ができるかどうか。
 鄭は昨年、台北開催のユニバーシアードに91m36で優勝、アジア人初の90mスローワーとなった選手。だが、セカンド記録は昨年4月に投げた86m92で、8月の世界陸上も77m87で予選落ちしていた。
 台北ユニバーは気象コンディションにも恵まれていた(2位の選手も90mを超えていた)。地元選手たちが各種目でメダルを取り、雰囲気も良かったのだろう。
 それに対してペトル・フリドリヒ(チェコ)は、ロンドン世界陸上銅メダリスト。両者の対決は鄭の“台北の再現”ができれば、鄭がおそらく勝つ。できなければ銅メダリストが優位といえそうだ。
 国内の90mスローは07年大阪世界陸上金メダルの、テロ・ピトカマキ(フィンランド)が90m33を投げたのが最後。11年ぶりの90mスローが、同じヤンマースタジアム長居で再現されるだろうか。

 投てき種目は日本勢も期待できる。
 日本の投てき界のエースは現在、男子やり投の新井涼平(スズキ浜松AC)だ。北京世界陸上9位、リオ五輪11位と2年連続で決勝に進出した。昨年は左腕がしびれるなど首の故障が影響し、シーズンベストが82m13と14年以降では最も低くなった。
 今季は首の故障が完治。「リハビリトレーニングで基礎をしっかりと行った」ことで、ベースとなる部分が向上している。投げにつなげられれば80m台中盤が期待できそうだ。
 女子やり投は斉藤真理菜(スズキ浜松AC)、北口榛花(日大)、宮下梨沙(大体大T.C.)と60m台トリオが出場する。
 斉藤は昨年、62m37の海外日本人最高でユニバーシアード銀メダルを獲得。ロンドン世界陸上は惜しくも予選を突破できなかったが、60m86の世界陸上日本人最高記録を投げている。特徴である国際大会での勝負強さを発揮すれば、外国勢3人の一角を崩すことも不可能ではない。
 そして日本記録の可能性が高いのが、男子砲丸投の中村太地(チームミズノ)である。18m55の自己記録は昨年の静岡国際だが、アジア選手権でも18m46と国際試合でも力を発揮した。
 今季は18m22、18m47と好調を続けている。中村が目標としているのは日本記録(18m78)ではなく、日本人初の19m台だ。
 室伏がハンマー投で日本人初の80m台を投げた長居で再び、歴史の扉が開く瞬間を見られるかもしれない。

TEXT/photo by 寺田辰朗
写真提供:フォート・キシモト

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