【ゴールデングランプリ陸上 20日(日) 午後3時 TBS】

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【ゴールデングランプリ陸上 20日(日) 午後3時 TBS】
《ゴールデングランプリ展望コラム・中距離種目編》
女子800mは3選手に日本人初の1分台の可能性
男子1500mは積極的な取り組みの学生が日本新ペースに挑戦

 男女中距離が若手の台頭で一気に面白くなってきた。
 女子800mは3人が同時期に強くなってきたところが、一番期待できる部分だ。これまでも日本記録保持者の杉森美保(京セラ。現コーチ)を筆頭に1分台を期待できる選手は何人か現れたが、2分0~2秒台で同一シーズンに3人が走ったのは初めてである。
 男子1500mは学生が3分40秒を突破し、3分37秒42の日本記録ペースにも今大会でチャレンジする予定だ。

 杉森が日本記録の2分00秒45を出したときの200m毎の通過&スプリットタイムは以下の通り。
■27秒6-57秒8(30秒2)-1分28秒4(30秒6)-2分00秒45(32秒0)■
 その杉森の記録に挑むのは以下の3人である。
北村 夢 2分00秒92(学生記録・17年日本インカレ)
塩見綾乃 2分02秒57(高校記録・17年全国インターハイ)
川田朱夏 2分02秒71(学生歴代3位・18年静岡国際)

 北村夢(エディオン)は上記記録を独走で出した。400m通過は59秒77(非公式。以下同)で、独走でも後半がほとんど落ちなかった。
 1分台に一番近い位置にいる選手だが、今年5月の静岡国際では最後の直線で川田に逆転されて2位。2~3月にかけて右ヒザを痛めて練習が中断した影響が出た。
 だが、復調のステップは順調に踏んでいる。
「ゴールデングランプリで日本記録は出せるようにしたいと思っています。あわよくば1分台に近いタイムまでもっていけたら」
 1分台の前にまず、2分0秒台前半から、ということだろう。

 北村とは対照的に塩見綾乃(立命大)と川田朱夏(東大阪大)は、常に競り合って記録を高めてきた。同じ関西地区ということでインターハイ近畿予選から対決してきた2人。高校2~3年時の主要8大会は最も差がついた試合で0.48秒差。800mでここまで接戦を続けられること自体が珍しい、というよりあり得ないようなケースだ。
 お互いのことを「あやか」「あやの」と呼び合う仲の良い2人だが、レースになれば「いつもバチバチ」(川田)の好ライバル関係だ。

 ルーキーイヤーの今季は川田が絶好調で、静岡国際は800mで自己新(2度目の2分2秒台)、関西インカレは400mで自己新(53秒50)をマーク。
「冬期にケガなく走り込みができましたし、短い距離も150m3本とか、初めてやった成果かもしれません。100mの自己新も出ました。ゴールデングランプリでは海外の1分台の選手に最後まで食い下がりたい。自己記録は絶対に更新したいです」
 その両大会の800mで塩見は、川田に1秒ちょっと差をつけられた。100%順調なシーズンインではなかったが、ゴールデングランプリでは1分台を狙うと明言した。
「400mを58~59秒台の通過を考えています。インターハイは59秒台でしたが、そこまでしんどくありませんでした。その感覚を取り戻せたら1分台も見えてきます。600mまでリズムを保って、ラスト200mでどれだけ粘れるかでタイムが変わってきます」

 去年のインターハイは塩見と川田が競り合い、インターハイという特殊な雰囲気も加わって、400mの59秒通過を「速いと感じなかった」(塩見)という。今回は外国勢と一緒に走ることでテンションが高まれば、58秒台でも速いと思わず通過できる。逆に外国勢だから速いだろうと感じてしまうと、走りに力みが出てしまうが、そのプレッシャーも3人一緒なら軽減される。
 2分のことを壁と強く意識していない様子も、川田からは感じられた。「2分2秒台とかを何回か出していたら、(1分台も)バッと出るのかな、と思っています」
 昨年からの3人の勢いなら、それも可能な気がしてきた。

 男子1500mも日本記録を意識したレースになる。
 小林史和(NTN。現愛媛銀行監督)が日本記録を出したときの400m毎の通過&スプリットは、以下のようなタイムだった。
■57秒1-1分55秒5(58秒4)-2分53秒7(58秒2)-3分37秒42(ラスト300m43秒7)■

 女子800mと同じで外国勢とどう走るか、というところがポイントになりそうだ。米国で4月に3分38秒65の学生日本人歴代2位をマークした舟津彰馬(中大)を指導する藤原正和監督は、「日本記録を狙えるペースで行く」と明言。外国勢が多少抑え気味に行っても、そのくらいのペースになると踏んでいる。あるいは主催者がペースメーカーを用意するか。
 舟津が日本記録ペースで進めたとき、3分41~42秒台の学生選手たちがどう反応するか。昨年の日本選手権優勝者の館澤亨次(東海大)、今年の兵庫リレーカーニバルを制した小林航央(筑波大)らの出方が注目される。

 今季の中距離の一番の違いは、女子800mで1分台を狙う選手が3人もいること。そして箱根駅伝に目が向きがちな男子の大学生で、1500mの3分30秒台の可能性が何人もの選手にあること。
 中距離の新たな時代が始まろうとしているのかもしれない。

TEXT/Photo by 寺田辰朗

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