【プリンセス駅伝 今日ひる11時50分 TBS】

【プリンセス駅伝 今日ひる11時50分 TBS】
女子駅伝日本一決定戦『クイーンズ駅伝』への
出場権を賭けた全国統一予選会『プリンセス駅伝』
27チーム中上位14チームが日本一決定戦へ❗️

《プリンセス駅伝2018を面白く見る視点⑤》
前日区間エントリー決定も本命不在
代表経験選手が快走するか、移籍組と新人を含めた初出場組がカギを握るか

●混戦の1区で優位に立つチームは?
 レース前日の監督会議を経て区間エントリーが発表されたが、本命に推すにはどのチームも決め手に欠ける。
 昨年のクイーンズ駅伝最上位(9位)の九電工は、宮崎悠香と芦麻生をエントリーできなかった。クイーンズ駅伝10位の積水化学は、キャプテンの森智香子が外れた。同11位の京セラは盛山鈴奈を大事をとって控えに置き、松田杏奈も主要区間に起用できなかった。同12位のデンソーは予定通りのオーダーを組むことができたが、高卒新人2人が初の実業団駅伝で力を出せるかは未知数だ。
 混戦予想だけに、1区を制したチームはその後を優位に展開できる。区間賞候補筆頭はアジア大会3000m障害代表の石澤ゆかり(エディオン)だろう。3000m障害の9分53秒22だけでなく、5000mでも15分41秒01と今季自己記録を更新している。
 チームは昨年のプリンセス駅伝で、予選突破圏内の10位で6区に中継しながら、6区の選手がフィニッシュ直前で倒れて途中棄権した。エースの区間賞で再スタートしたいところだ。
 対抗できるのは鷲見梓沙(ユニバーサルエンターテインメント)、倉岡奈々(デンソー)、橋本奈海(三井住友海上)、矢野栞理(キヤノンAC九州)ら。鷲見は15年北京世界陸上5000m代表だが、マラソン練習を行っている影響で今季は個人種目出場がほとんどない。プリンセス駅伝の走りがロードシーズンを占うことになりそうだ。
 倉岡は【視点②】で紹介したように、スピードには目を見張るものがある。松元利弘監督も前日会見で「願わくば区間トップを」と期待を込めた。2区の矢田みくに、3区の森林未来と並べた高卒新人2人へのプレッシャーを、少しでも小さくしたいのだろう。
 倉岡も実業団駅伝初出場だが、その走りで新人2人がノビノビと走ることができれば、デンソーが独走に持ち込む可能性もある。
 矢野は高校2年時の11年に5000mで15分44秒43を出した選手。その後目立った記録は残していないが、今季10000mで32分23秒85の自己新。亀鷹律良新監督のもとで復活した注目選手だ。
 橋本はデンソーからの移籍選手。クイーンズ駅伝3連勝めのアンカーで区間賞を獲得し、翌年は5区で区間5位、昨年は3区で区間10位。エースの高島由香(資生堂)が抜けた後のデンソーを支えてきた。今季のトラックでは目立った走りはしていないが、得意の駅伝で新チームでの第一歩を記したい。

●エース区間の3区で抜け出すチームは?
 2区は近年の駅伝実績でいえば、ユニバーサルの伊沢菜々花が一番だが、今季はトラックにもあまり出場していない。
 九電工は800 mで2007年大阪世界陸上代表だった陣内綾子を予定通りに投入。大ベテランを2区に置くことで、高卒新人の林田美咲が1区を安心して走ることができる。積水化学も2区の野村蒼は、野口監督が「面白い存在」と期待する1人だ。
 今季の10000mのタイムでは、松田杏奈(京セラ)が32分27秒35でこの区間のトップ。故障明けのため距離の短い2区に回ったが、その復調次第では京セラが抜け出す可能性がある。
 そして松田と、松山大で同学年だったのが中原海鈴(TOTO)で、同じ2区に出場する。2人が4年時に松山大は全日本大学女子駅伝に初優勝した。中原は5区区間賞でトップに立ったが、松田はメンバー入りできなかった。2人の対決も興味深い。
 3区は最長区間であり、レースの流れを最も大きく左右するエース区間だ。区間賞候補は山ノ内みなみ(京セラ)、岡本春美(三井住友海上)、一山麻緒(ワコール)、松崎璃子(積水化学)あたり。今季の状態ではアジア大会5000m代表の山ノ内が一番だ。
 京セラの佐藤敦之監督は山ノ内への期待を次のように話した。
「昨年8月に入社した後に疲労骨折をして、本格的な練習は今年2月からです。練習ではまだ、本気を出していません。ハードな練習をしっかりとしていけば、来年のドーハ世界陸上、20年の東京五輪で戦える選手です」
 全日本実業団陸上10000mで日本人トップとなった岡本も、三井住友海上の吉田富男監督が期待する逸材だ。
「30年間指導をしてきて、これだけポテンシャルのある選手は初めて。まだ6~7割の力しか出していないでしょう。国を挙げて育てるべき選手です」
 松崎は今年4月から米国オレゴン州の、バウワーマンTCでトレーニングを積んでいる。見ているのはドーハ世界陸上、東京五輪で戦うこと。今大会に向けてもチームの練習に合流しないで、米国でのトレーニングを優先してきた。
 一山は今季、10000mで31分57秒91を出しているが、昨年と比べると勢いが低下してきた印象だ。ワコールの永山忠幸監督によれば、1月の全国都道府県対抗女子駅伝で左ヒザを痛め、それをかばって右ヒザに痛みが出るなどして、2カ月ほど練習に影響が出たという。
「練習が少し臆病になってしまい、試合でも自分にプレッシャーをかけてしまっていました。周りからも、去年以上に言葉をかけられるようになり、迷路に入ってしまった。その突破口を、明日の駅伝で見つけてほしい」
 クイーンズ駅伝が終われば、1月か3月に出場予定の初マラソンの準備に入る。
 阿部有香里(しまむら)と横江里沙(大塚製薬)も、区間賞の可能性をもつ。阿部は4月の兵庫リレーカーニバルで優勝。クロスカントリーやハーフマラソンでも安定して走れている。横江はクイーンズ駅伝5区の区間記録保持者。豊田自動織機から今年、大塚製薬に移籍した。トラックではまだ以前のスピードが戻っていないが、新チームでの初駅伝で復調を加速させたい。

●ワコールが福士を初めてアンカーに起用した理由は?
 4区に外国人選手を持つ九電工やデンソー、ユニバーサルが3区終了時点でトップに近い位置にいれば、4区が勝敗を決する区間になるかもしれない。そうでなければ優勝争いは5区で白熱する。
 【視点④】で紹介したように九電工が、エースの加藤岬を5区に起用してきた。3区終了時点で前が見えれば、4区のワイディラが差を詰めて、加藤に勝負を託す形になる。それはデンソーも同じで、4区のフーサンに前が見える位置でタスキが渡れば、5区の荘司麻衣が大役を担う。
 ユニバーサルはクイーンズ駅伝6区で、区間1位相当のタイムを出した猿見田裕香。実業団2年目で初の10km区間をどう走るか。
 そして注目したいのが、リオ五輪マラソン代表だった伊藤舞だ。3年連続でプリンセス駅伝を通過できていない大塚製薬だが、横江の加入で可能性は大きくなった。横江の3区の走り次第では、伊藤が上位でタスキを受ける可能性もある。
 今季はハーフマラソンもトラックも、低調な記録が続いているが、11月にマラソン出場プランもある。プリンセス駅伝の上位争いで、是非とも弾みをつけたい。
 そして今年のレースは、アンカーの6区にまで勝負がもつれ込む可能性も何割かあるのではないか。1、2回大会は後半区間の逆転劇はなかったプリンセス駅伝だが、昨年はクイーンズ駅伝でも優勝するパナソニックが、6区でダイハツを逆転した。後半が向かい風になれば差がつきにくくなり、その可能性がさらに高くなる。
 そうなった場合、福士加代子を6区に置いたワコールにもチャンスが生じるかもしれない。
 ワコールは1区に、先週の5000m記録会で15分46秒76と自己記録を大幅に更新した長谷川詩乃を抜擢。高卒1年目と経験は少ないが、先頭集団で中継しそうな勢いがある。そうなれば3区の一山で上位の流れに確実に乗ることができる。2・4・5区も新人で、上位をどこまでキープできるか。
 永山監督はアンカーを福士に任せるのは、「初めてです」と言う。3000m・5000m・ハーフマラソンの日本記録保持者で、オリンピックには4回連続出場したレジェンドだ。
「(36歳の)福士が駅伝を走るのは、あと数回だと思います。5区に置いた方が優勝の可能性は少し高くなるのですが、監督として、できれば福士にテープを切らせてあげたい。クイーンズ駅伝では難しいですけど、プリンセス駅伝ならワンチャンスある。福士の性格なら、前と30秒差があっても抜きに行くでしょう。それが福士の駅伝ですから。5区までが頑張って30秒差でつないでほしい。福士の笑顔をしばらく見ていないので」
 フィニッシュ地点で待つことになる新人たちが、偉大な先輩の笑顔を見るために奮起すれば、19年間福士とともに歩いてきた永山監督の思いを、現実にできる。

TEXT by 寺田辰朗
【TBS系列生中継】

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