【世界リレー いよいよ今日開幕】

14c650acd9f960949207

【世界リレー いよいよ今日開幕】
《世界リレー2019横浜の注目選手》
TEXT by 寺田辰朗

新種目の男女混合2×2×400mリレー
積極性が期待できる塩見とアーロン竜波

5月11日に開幕する世界リレー2019横浜。日本はメダルが期待される男子4×100mリレーに一番の注目が集まるが、その他の種目にも、今後の陸上界で活躍が予想される選手が多く出場する。新種目の男女混合2×2×400mリレーには、ともに高校記録保持者の塩
見綾乃(立命大2年)と、クレイアーロン竜波(相洋高3年)がエントリーされている。
 塩見は昨年のアジア大会の経験を生かし、日本人初の女子800mの1分台を目指してい
る。実現すれば2分00秒45の日本記録更新も、2分04秒00の世界陸上標準記録突破も同時
に達成することになる。
 アーロン竜波も、初の世界大会を自身の成長に役立てようと積極的に走る。

●レースパターンが何十通りもある男女混合2×2×400mリレー
 塩見の出場する男女混合2×2×400mリレーは、五輪&世界陸上では行われていないが
、男女1人ずつが400mを2本走るリレー種目だ。男子と女子のどちらが先に走るかは決
められていない。つまり男女が同じ走順を走ることもあるのだ。男女が対決した場合、男
子でリードしたチームは当然、次の女子で相手の男子に追い上げられることになる。
 パートナーが走っている間が自身の休憩時間となるが、男女のどちらが先に走るかで、
休憩時間が違ってくる。男子が先に走った場合は男子の2本目が女子の休息時間となり、
女子が先に走って男子の1本目が女子の休息時間になる場合より、3~4秒長くなるはず
だ。
 それは男子にも言えることで、走順によって休憩時間が3~4秒違ってくる。どちらの
方がトータルで速く走ることができるか、選手の適性を見抜くスタッフの眼力も問われる
種目といえそうだ。
 塩見は「どうなるのか想像できない」と前置きした上で、次のような話をしてくれた。
「2本のペース配分の組み合わせを調節できる種目です。1本目にガツンと行けば、2本
目は遅くなりますが、1本目を抑えて、2本目をガツンと行く走り方も考えられます。私
は300m3本を45秒の休憩でつなぐ練習もしていますから、疲れた状態でも出し切ること
ができると思うんです。1本目をガツンと行ける。相手がいることなので、レースの動き
に対応しないといけませんが、大丈夫だと思っています。どの国もやったことがないので
、条件はみんな同じです。楽しく走れるのではないでしょうか」
 男子は800m日本記録保持者の川元奨とアーロン竜波が代表に選ばれているが、川元は
アジア選手権を回避している。アーロン竜波の出番もありそうだ。
「400m+400mの練習みたいですけど、相当キツいんじゃないかと思っています。でも、
しっかり合わせて結果を出したい。(世界のトップ選手が相手で)緊張もすると思います
が、楽しみな面もあります」
 男女の走順とそれに伴う休憩時間の違い、ペース配分の組み合わせ方と、本当に何通り
もの、あるいは何十通りものレースパターンがありそうな種目である。走る方は大変だろ
うが、塩見もアーロン竜波も楽しみたいと言っている。どんな展開になるか、見る側も楽
しみに新種目のレースを待ちたい。

●アジア大会で取り組み方が変わった塩見
 女子800mでは現在、北村夢(エディオン)、川田朱夏(東大阪大2年)、塩見の3人
が2分0~2秒台の記録を持ち、日本人初の2分突破を競っている。
 3人とも昨年のアジア大会に出場。北村が4位とメダルに迫り、塩見も5位に続いた。
川田は400mで日本選手権に優勝し、女子4×400mリレーと男女混合4×400mリレーでア
ジア大会に出場した。女子4×400mリレーは川田・北村・宇都宮絵莉(長谷川体育施設

)・塩見のメンバーで5位だったが、銅メダルまで0.81秒差。かなり悔しい思いをした。
 しかし今季は、北村が代表に選ばれていたアジア選手権を故障の影響で欠場し、川田も
冬期の故障で出足が良くない。
 塩見だけが元気な走りを見せている。アジア選手権は2分07秒70の6位に終わったが
、400mを58秒66で通過した。日本記録を狙えるペースでトップを走ったのだ。木南記念
では後半の減速を小さくとどめ、2分04秒00をマークした。
「アジア大会の経験が国内大会でも生かせています。もちろん負けたくないのですが、勝
っても見ているところが違ってきました。国内のレースでも、その先にあるものを求めて
いきます。海外の選手と勝負ができないと意味がありませんから。アジア大会に行っても
収穫はありませんでした、としないためにも、国内大会で生かせる何かを出せたら、もっ
と自分の強みになる」
 世界リレーは専門外の距離で「気分転換」の部分もあるが、今の塩見なら必ず積極的な
取り組み方をして、2分突破に向けて生かしていくはずだ。
 塩見は高3時の2年前に2分02秒58の高校記録をマークしたが、男子のアーロン竜波は
昨年、2年生で1分47秒51の高校記録を出した。
 高校生だけのレースでは強くても、シニアの選手と走ると力を出せない高校トップ選手
は多い。だがアーロン竜波は、高校記録をシニアのレースで出し、今月6日の木南記念で
も2位に1秒以上の差をつけた。高校生のレースとの違いに戸惑うことなく、自分の力を
発揮できる選手だ。
 そういうところが重要だと、潜在的にわかっているのだろう。種目は違っても、日本の
トップ選手と同じチームを組むことの意味を問われ、「大舞台の雰囲気の中で、どういう
行動をしているかを見て学びたい」と答えている。
「(そのために)高校生でもシニアに負けない走りをしたいと思っています。自分の走り
をして、大きな舞台、違った雰囲気を経験できたら…」
 競技への積極的な取り組みという点では、アーロン竜波も塩見に負けていない。
 米国、ケニア、豪州が優勝候補に挙げられている男女混合2×2×400mリレー。800m
や400mの記録で見れば日本のコンビは差が大きいが、実際の走りではその差を縮める予
感がする。

写真提供:フォート・キシモト
【TBS系列2夜連続生中継】

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)