【世界陸上北京8月22日開幕】

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【世界陸上北京8月22日開幕】
<日本選手権を面白く見る8つの視点④>
日本新も期待される海老原と菅井。注目される2人の“3回目までの記録”

 女子やり投の海老原有希(スズキ浜松AC)はゴールデングランプリ川崎(GGP)で63m80の日本新を投げ、北京世界陸上の派遣設定記録も突破。日本選手権8位以内で代表が決定する。注目したいのは3回目までに、世界陸上で入賞できるレベルの記録を投げられるかどうか。
 男子走幅跳で4月に8m18と標準記録を破った菅井洋平(ミズノ)も、意味合いは少し異なるが、海老原と同様3回目までの記録が注目されている。

 海老原は過去4回の日本新を投げているが、4回中3回が後半の試技で出された。投てき4種目と走幅跳・三段跳のフィールド6種目は、6回の試技を行い一番良い記録で勝敗を競うが、海老原の日本新は「6投目、3投目、5投目、5投目なんです」(海老原)
 前半で把握した課題を修正して後半で記録を伸ばす。悪いことではないが、高いレベルの試合では勝敗に影響が出てしまうこともある。
 6回試技ができるのは決勝だけで、予選は3回の試技しか許されていないのだ。また、決勝においても後半の3回の試技ができるのは、前半3回までの記録でベストエイトに残った選手だけである。

 11年世界陸上の海老原は9位と健闘したが、わずか19cm差でベストエイトに残れなかった。12年ロンドン五輪、13年モスクワ世界陸上は連続で予選16番目の記録。ともにあと1m投げていれば、決勝に進むことができた。
 五輪&世界陸上になると雰囲気やプレッシャーが国内大会とは大きく違う。国内と同じことができるとは限らないが、海老原の日本選手権は世界陸上のシミュレーションとなる。
「世界陸上で入賞することを考えた日本選手権にしたいですね。前半3投目までに気持ちをぶつけます」
 モスクワ世界陸上でベストエイトに残るには61m30が必要だった。それを上回る記録を日本選手権の3回目までに投げておけば、本番の北京も気持ちに余裕を持って臨むことができる。

 走幅跳の菅井は日本選手権で優勝3回と2位が4回。9回出場して“2位以上”が7回という安定感は、歴代の8mジャンパーの中でも8mを跳んだ試合数が多いから可能になっている。
 だが、日本選手権で3回目までに8mを超えたのは、08年の1回だけしかない。ファウルが少ないことも菅井の特徴で、前半は確実に記録を残し、後半でその日のベスト記録を跳ぶ。
 記録狙いの目的で出場する海外の試合では前半から思い切った跳躍ができるが、日本選手権などで「勝負が絡むとどうしても、戦略やリスクを考えないといけなくなる」からだ。

 だが、今季の菅井は昨年までと違う。4月の兵庫リレーカーニバルは、ファウルながら1回目から8m20以上の距離が出ていた。同じようにファウルで8m20以上の距離が出た6回目は、珍しくスタンドの観衆に手拍子を求めた。結果的にライバルの嶺村鴻汰(モンテローザ)に1cm差で敗れてしまったが、“一発”が出そうな兆しと言えるだろう。
 技術的には助走の最後を「さばくのではなく、しっかり走り込む」ことで力強い踏み切りができるようになった。日本選手権の前半3回までに8m10前後を跳べば、菅井が考えている「高い出力の中でのコントロール」ができたことになる。得意の後半で、8m25の日本記録更新も十分期待できる展開といえるだろう。
【すべてが“つながる”瞬間がある】
#日本選手権 #世界陸上 #海老原 #菅井
TEXT by 寺田辰朗

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