【世界陸上北京8月22日開幕】

26701f2426e3fd93c845

【世界陸上北京8月22日開幕】
<日本選手権を面白く見る8つの視点⑤>
4人が標準突破の男子走高跳は史上空前のハイレベル

 男子走高跳が過去最高とも言える盛り上がりをみせている。世界陸上の標準記録(2m28)突破人数は4人と過去最多。1種目の代表は最大3人までなので、日本選手権の結果で1人は代表から漏れてしまう。フィールド種目ではめったにないケースだ。
 国際大会の実績で抜き出ている戸邊直人(つくばツインピークス)、戸邊の後を追うように成長したライバルの衛藤昂(AGF)、20代後半で初の2m30台を狙う高張広海(日立ICT)、そして18歳の平松祐司(筑波大)。4人それぞれに特徴があり、興味深い舞台装置ができあがった。

 戸邊は2010年世界ジュニアで銅メダル、昨年のダイヤモンドリーグ・モナコ大会は8位、同ブリュッセル大会7位。特にダイヤモンドリーグでの活躍は特筆でき、世界陸上入賞も期待できる。
 “高さ”でも戸邊が一歩リードしている。昨年2m30以上を4試合でクリアし、今年5月のダイヤモンドリーグ上海大会でも2m29と、アキレス腱の故障明けから2試合目で自己記録に2cmと迫った。
 日本選手権でバーが2m30以上に上がったとき、成功の可能性が一番高いのは戸邊ということになる。会場の新潟ビッグスワンは、戸邊が2m23の高校記録を跳んだ相性の良い競技場だ。2m33の日本記録を更新する期待も膨らむ。

 だが、日本選手権の戸邊は4年前の筑波大2年時に優勝しているものの、その後は4位、2位、3位。ここ3年間、勝つことができていない。2012年と13年は高張が2連勝し、昨年は衛藤が初優勝。この2人が勝負強さを持っているため、戸邊も簡単に勝つことができない。
 2連勝を狙う衛藤は、今シーズン日本選手間で無敗を続けている。静岡国際で2m28と標準記録を跳ぶと、4人が揃ったゴールデングランプリ川崎(GGP)も2m28で日本人トップ、6月のアジア選手権には2m24で優勝した。
 衛藤は接地時間の短い踏み切りが特徴で、踏み切り時の腕振りにシングルアームアクションを使っている(走る動作に近い)。接地時間が比較的長い戸邊は、2年前からダブルアームアクションの踏み切りに変更した。1学年違いのライバル2人の、踏み切り動作の違いにも注目すると面白いだろう。

 高張はクリアランスの上手さに定評があり、2010年アジア大会銀メダルなど以前から大舞台で強さを見せていた選手。昨シーズン後半に助走歩数を少なくした跳躍で技術的なきっかけをつかみ、今季は昨年までの自己記録である2m25以上を4試合で跳んでいる。
 平松は戸邊の高校記録を更新することはできなかったが、卒業1カ月半後の関東インカレで2m28の学生歴代2位タイに成功した。アベレージでは他の3人と隔たりが大きいが、底知れない可能性を感じさせる。

 優勝者はその場で世界陸上代表が決まるが、残りの選考は日本選手権の戦いぶりを見て判断される。ロンドン五輪までの選考方法なら日本選手権の順位で決まっていたが、近年はそれ以外の要素(長距離ならレース展開の積極性など)も選考に反映されるようになった。静岡国際、GGP、アジア選手権と今季の選考会すべてで日本人トップを占めている衛藤が4位になった場合など、選考がどうなるか予想ができない。

【すべてが“つながる”瞬間がある】
#日本選手権 #世界陸上 #走高跳
TEXT by 寺田辰朗

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)