【世界陸上北京8月22日開幕】

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【世界陸上北京8月22日開幕】
〈日本選手権を面白く見る8つの視点⑧〉
新チャンピオン誕生か、連勝継続か?
 日本選手権20連勝。不滅の金字塔を打ち立てた室伏広治(ミズノ)が、「自分が出ないことで、若い人が1番の座を狙える」と、欠場を表明した。男子ハンマー投は20年ぶりに新チャンピオンが誕生する。
 男子ハンマー投は特殊なケースだが、ほかにもいくつか、連勝が続いている種目がある。第一人者が連勝を継続させるのか? 連勝をストップさせる選手が現れるのか? に注目することで、日本選手権を面白く見ることができる。

 男子400 mでは金丸祐三(大塚製薬)が高校3年時から10連勝と、トラック種目の連勝最多記録を続けている。だが、今季は4月1日に右脚大腿裏を肉離れ。金丸が春季グランプリ(例年は5月の静岡国際、今年は4月の織田記念)を欠場する珍しいケースになった。
 しかし5月には復帰。「(標準記録の)45秒50はしっかりと合わせれば出せる」と、強気で日本選手権に臨む。
 金丸が45秒台後半までしか戻すことができなければ、10年ぶりの新チャンピオンが誕生する。昨年の世界ジュニア銀メダルの加藤修也(早大)は故障の影響で欠場するが、織田記念と関東インカレに優勝した佐藤拳太郎(城西大)が好調。6月のアジア選手権で銅メダルと健闘し、最有力候補に躍り出た。
 世界陸上2大会連続4×400mリレー代表の廣瀬英行(富士通)も昨年の不調から脱し、46秒07で今季日本リスト1位。面白いのが田村朋也(住友電工)で、昨年200 mから本格的に400 mに進出して日本インカレで2位。コンチネンタルカップ4×400mリレーの1走では、45秒台終盤のラップで走ったという。
 金丸が11連勝を達成するにしても、新チャンピオン誕生するにしても、45秒50の標準記録を上回ることが課された種目だ。

 女子400 mHも日本記録(55秒34)保持者の久保倉里美(新潟アルビレックスRC)が8連勝中だが、織田記念の400 mで右脚大腿裏を痛めてレースから遠ざかっている。それに対して好調なのが吉良愛美(アットホーム)で、56秒94の今季日本最高を5月にマーク。アジア選手権でも銀メダルと健闘した。
 久保倉が代表入りすれば世界陸上は5大会連続、吉良なら初出場になるが、2人とも56秒20の標準記録を突破していない。ハイペースの競り合いを展開する必要がある種目だ。

 注目が集まる男子ハンマー投の新チャンピオンは、予想が難しい状況になっている。
 本来なら現役2番目の72m43(日本歴代5位)を持つ野口裕史(群馬綜合ガードシステム)が、すんなり新チャンピオンになるはずだった。日本選手権でも2013年まで3位を5回、2位を3回続けてきた実績は一歩抜き出ている。ところが昨年から調子を崩して日本選手権は5位、今季の日本選抜和歌山大会も4位と敗れている。
 その和歌山大会に68m06で勝ったのが田中透(チームミズノアスレティック)で、70mを超えそうな勢いが感じられる。室伏と同じ“ミズノ”チームで、後を継ぎたいところだろう。
 そして今季日本最高の70m46を4月に投げたのは、それが初70mだった保坂雄志郎(筑波大大学院)である。父親は十種競技の元トップアスリート。冬期には室伏のライバル選手がいるハンガリーのクラブで、単身武者修行も行った。
 室伏が日本記録保持者だった父・重信氏と同じ種目で偉業を達成したのに対し、保坂は高校時代の先生の勧めもあり、父親がやっていた十種競技にはないハンマー投を選んだ。
 野口も5月末には70m02と復調してきた。どんなストーリーが紡がれて、新チャンピオン誕生するのだろうか。
【すべてがつながる瞬間がある】
#日本選手権 #世界陸上
Text by 寺田辰朗

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