【今夜決勝!世界リレー】

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【今夜決勝!世界リレー】
《世界リレー2019横浜初日》
TEXT by 寺田辰朗
男子4×400mリレーの日本は2組1位で決勝進出
決勝では日本記録更新でメダル争いに加わるか!?

 リレー種目だけの世界大会(国際陸連主催)である世界リレー2019横浜が、横浜市の日産スタジアムで開幕。2日間にわたって行われる大会の初日が5月11日に行われ、日本は新種目の男女混合シャトルハードルリレーで銀メダルを、同じく新種目の男女混合2×2×400mリレーで銅メダルを獲得した。
 その他の種目は予選が行われ、男子4×400mRの日本は2組1位で2日目(最終日)の決勝に進出した。女子4×400mRは全体16番目のタイムでB決勝に進んだ。
 男女混合4×400mリレーはB決勝が行われないため全体11番目のタイムで予選落ちとなったが、上位12カ国に与えられる世界陸上ドーハ(9月開幕)出場資格を獲得した。男子4×400mRも決勝で、途中棄権や失格などをしなければ世界陸上出場資格を得られる。
 “不測の事態”が起こってしまったのが男子4×100 mリレーで、メダル有力と思われていた日本が、3走・小池祐貴(住友電工)と4走・桐生祥秀(日本生命)でバトンパスのミスが生じ、失格となった。
 女子4×100 mリレーも予選で敗退し、タイムでも上位10カ国に入れなかった。4×100 mリレーは今後、来週のゴールデングランプリなど国際大会でタイムを出すことで、世界陸上出場の道が開ける。

●日本スタイルの先行策が奏功。2004年アテネ五輪以来の決勝進出
 男子4×400mリレーは“先行策”が、金メダルを取った4月のアジア選手権に続いて成功した。
 1走にエースのウォルシュ・ジュリアン(富士通)を起用。45秒3(公式発表だが手動計時。以下同)と1走としてはかなりハイレベルのタイムで、フランスと並んでトップで2走の井本佳伸(東海大)につないだ。
「1つ外側のレーンのコロンビアについて行くことを考えていましたが、予想以上の展開ができました。良い感じで走ることができました」とウォルシュ。
 2走の井本は200mでも昨年のU20日本選手権優勝、自己記録は20秒59とスピードがある。最初の100mを速いスピードで入り、セパレートレーンからオープンレーンになる100m地点では、2位のフランスに約3mの差をつけていた。300mまでにその差を8~9mに広げ、最後はベルギーに詰められたが、5m差で3走にバトンを渡した。
「ウォルシュさんがすごく良い位置で持ってきてくれたので、気持ち良く走ることができました。前半は持ち味のスピードで行くことができたのですが、最後はまったく動かなかった。そこを修正していかないと」
 井本は反省のトーンが強かったが、2走の前半で2位以下を引き離したことで、予定通りの先行策に持ち込んだ(ラップは45秒8)。シニアの代表初試合の井本が自身の特徴を発揮したことが、勝因の1つになった。
 そして3走の佐藤拳太郎(富士通)も快走。ほとんど後続に差を縮められず、後半はじりじり引き離した。45秒3のラップで回り、10m以上の大差で4走に。予選通過を確実にした。
「できるだけ多くのリードをして、4走の若林(康太・駿河台大)君に渡したかった。チーム全員が意識のベクトルを合わせています。それが組1位という結果に現れたと思う」
 4走の若林もその差を維持し、最後の直線は「差されないように」と安全策で多少抑えぎみに走ったが、2位のベルギーに約10m差でフィニッシュした。
「緊張半分、ワクワク半分のいい気持ちで走ることができました。明日はもっといい走りで日本記録を目指していきたい」
 日本は3分02秒55で、予選全体でも3番目の記録で12日の決勝に進出した。五輪、世界陸上、世界リレーでの決勝進出は、4位に入賞した2004年アテネ五輪以来だった。

●激戦が予想される決勝。日本はサプライズの選手起用があるのか?
 15年ぶりの決勝進出にも、日本選手たちに“快挙”をやってのけた意識はない。
 ウォルシュは「1着で予選を通過するのは予定通りで、最低限の目標だった世界陸上出場を決められて良かった」と、“最低限の目標”だったことを明かした。最年長の佐藤も「日本記録(3分00秒76)を出したかった。それが確実に決勝にいくラインだと思っていました」と記録に不満を示した。
 12日の決勝では、23年ぶりの日本記録更新とメダル獲得が目標となるが、簡単なことではない。日本のタイムが予選全体で3番目と言っても、同じ3分2秒台を米国、ジャマイカ、トリニダードトバゴ、南アフリカと、日本を含め6チームが出している。
 予選では大差をつけたが、昨年のヨーロッパ選手権優勝のベルギーは、ボルリー3兄弟のうち末弟のディラン(1走)しか予選では起用しなかった。双子の兄のケビンとジョナサンは今季出遅れているが、五輪&世界陸上の400mで何度も入賞した選手。決勝で起用してくるかもしれない。
 決勝では2~3秒タイムを縮めてくるチームが現れそうだ。実際、過去の世界大会を見るとメダルを取るには2分台が必要だ。
 だが、各国のメンバーを見ると今大会は、そこまでメダルのラインが上がらないかもしれない。日本記録レベルで獲得できる可能性もあるのではないか。
「(予選全体3位で)このまま行けばメダルも狙えるかもしれませんが、世界の選手も決勝ではタイムを上げてくる。僕らがそれ以上に上げて、日本記録を目指したい」(ウォルシュ)
「何度も言いますが、決勝では最低でも日本記録を出したい。メダル争いに食い込める走りをしたい」(佐藤)
 決勝でも先行策をとれればいいが、世界のトップが本気で走る決勝で、どこまで日本の先行策が通用するか。
 もちろん日本にも、策はまだある。
 昨年のアジア大会では飯塚翔太(ミズノ)と小池祐貴(住友電工)の200mが専門のスプリンターを起用した。予選のメンバーで、脚の状態や、動きが万全でない選手もいた。
 日本記録の3分00秒76を出した96年アトランタ五輪がそうだったように、スピードに勝るスプリンターの起用があるかもしれない。
 19:37開始の男子4×400mリレー決勝は、絶対に見逃せない。

写真提供:フォート・キシモト
【TBS系列よる6時30分生中継】

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