【全日本実業団陸上2018★ここに注目!】

【全日本実業団陸上2018★ここに注目!】
※大会の模様は、9月29日(土)深夜2時13分~ 放送!!

③駅伝、ロードシーズンに向けて注目選手が多数
クイーンズ駅伝優勝のパナソニック、ニューイヤー駅伝優勝の旭化成はエースが出場

男女の長距離種目(5000m・10000m・3000m障害)は、2倍楽しむことができる。

トラック特有の駆け引きやラスト勝負など、全日本実業団陸上の勝敗自体が興味深いが、10月から始まる実業団駅伝で活躍しそうな選手を見つけることもまた、長距離・駅伝ファンの楽しみだ。

女子は昨シーズンの駅伝上位チームのエース・若手選手が参加する。クイーンズ駅伝優勝のパナソニックからは1区区間賞の森田香織が5000mに、3区区間賞の堀優花(アジア大会10000m代表)が10000mにエントリー。2枚看板が今大会でも上位に入れば、駅伝でも2連勝に近づく。

クイーンズ駅伝2位のダイハツは3区の松田瑞生がベルリン、5区の前田彩里が北海道と、両エースがマラソンを走ったばかりで今大会には出場しない。だが、期待されている2年目の大森菜月と、ルーキーの細田あいが10000mにエントリーした。

大森は立命大1・2年時に日本インカレ5000mに2連勝、細田は日体大3年時に関東インカレ5000m・10000mの2冠を達成した選手。この2人が全日本実業団陸上で上位に入れば、駅伝初優勝が現実的になる。

クイーンズ駅伝3位のJP日本郵政グループは、名古屋ウィメンズマラソン日本人トップの関根花観が5000mと10000mにエントリーしているが、出場は微妙な状況。北海道マラソン優勝の鈴木亜由子と、アジア大会5000m4位の鍋島莉奈はエントリーしていない。

立命大から入社1年目の太田琴菜や、前回2区の宇都宮恵理が10000mに出場する。2人が今大会で好走すれば、2年ぶりに駅伝女王に返り咲く。

クイーンズ駅伝は11位だったが、京セラの充実が著しい。アジア大会代表の山ノ内みなみが5000mと10000mにエントリー。両種目で優勝候補(日本人トップ候補)に挙げられている。

さらに10000mでは松田杏奈が資格記録(32分07秒11)でエントリー選手中4番目、藤田理恵も32分21秒79で12番目の位置にいる。全日本実業団陸上の結果次第で、翌年の出場権を得られるクイーンズエイトの有力候補になる。

5000mには2016年クイーンズ駅伝1区区間賞の一山麻緒(ワコール)と、2区区間賞の木村友香(ユニバーサルエンターテインメント)もエントリーしている。入社3年目の一山は、同日に2種目を走るなどタフさが特徴の選手。トラックでも昨年の日本選手権5000m・10000m両種目4位とスピードがあるが、マラソン進出も期待されている。今大会でも2種目で上位に入ってくるだろう。

木村は2年前には1500mランナーだったが、昨年から5000mに軸脚を置くようになった。今年は全国都道府県対抗女子駅伝の9区(10km)で31分台もマークした。今大会5000mの資格記録(15分12秒47)は参加選手中3番目、日本人ではトップである。

5000mは山ノ内、森田、木村が優勝候補。10000mは堀、山ノ内、一山の争いか。

男子はニューイヤー駅伝2連勝中の旭化成から、3区区間賞の市田孝と6区区間賞の市田宏が10000mにエントリーした。マラソン出場との兼ね合いもあり、各チームのエースがそろうわけではないが、兄弟が揃って上位に入れば駅伝3連勝が有力になる。

注目すべきはトーエネック勢だ。5000mは日本選手権優勝の服部弾馬が優勝(日本人1位)候補で、1500mと5000mに中川智春がエントリー。10000mには河合代二と須崎大輝が出場する。

服部は日本インカレ5000m優勝者で、箱根駅伝1区でも区間賞を獲得したエリートランナーだが、その他の選手は入社後に強くなった。10年目の中川が1500mから徐々に距離を延ばしながらチームを支え、麗澤大出身の河合は今季10000m28分19秒35まで急成長した。須崎は高卒5年目で昨年5000mでは初の13分台を、今季10000mで初の28分台を出した。

何人ものトラック代表を育成して来た松浦忠明監督が、トーエネックに来て数年で結果が出始めている。全日本実業団陸上で快走する選手が何人も現れれば、ニューイヤー駅伝でも台風の目となるだろう。

そしてロードシーズンに向けて今、大きな注目を集めているのが競歩である。10月最終週には来年のドーハ世界陸上の50km競歩選考会でもある全日本競歩高畠大会が開催される。全日本実業団陸上の10000m競歩には、高畠出場が予想される50km競歩勢が多数出場する。

リオ五輪銅メダル&ロンドン世界陸上銀メダルの荒井広宙(自衛隊体育学校)、ロンドン銅メダルの小林快(ビックカメラ)、ロンドン5位の丸尾知司(愛知製鋼)、今年4月の日本選手権優勝の野田明宏(自衛隊体育学校)に加え、2015年北京世界陸上銅メダルの谷井孝行(自衛隊体育学校)ら。

50km競歩は勝木隼人(自衛隊体育学校)がジャカルタ・アジア大会で金メダルを取り、一足早く世界陸上代表に決定した。残る枠は2つ。メダリストや入賞者の誰かが代表入りできない状況だ。

距離が大きく違うので練習の一環で出場する選手が多いが、全日本実業団陸上でライバルに勝っておけば、本番へ心理的に余裕を持てる。競り合うシーンには、色々な思惑が交錯するだろう。

だが優勝は、上記の50km勢ではなく、20kmの代表経験者たちで争われる。

リオ五輪7位入賞者で、10000mWで今年37分58秒08の日本新を出した松永大介(富士通)や、5年連続日本代表を続けている高橋英輝(富士通)、アジア大会銀メダルの山西利和(愛知製鋼)、ロンドン世界陸上11位(日本勢トップ)の藤澤勇(綜合警備保障)らが有力。2013年世界陸上6位入賞の西塔拓己(愛知製鋼)も復活を期している。

そして、故障で戦列を離れていた20km競歩世界記録保持者の鈴木雄介(富士通)も、復帰後初めて全国タイトルのかかった試合を歩く。

代表選手が最も多く出場する競歩のオールスター戦。10000m競歩を見逃すのはもったいない。

TEXT by 寺田辰朗
写真提供:フォート・キシモト

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