【明日午後1時30分TBS系列生中継】

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【明日午後1時30分TBS系列生中継】
《ゴールデングランプリ2019フィールド種目の見どころは?》
TEXT by 寺田辰朗
今年はフィールド種目が熱い!
日本新で外国勢を撃破するシーンが続く可能性も

 今年の特徴はフィールド種目で日本勢の優勝と、それと同時に日本新記録が期待できる種目が多いことだ。男子走高跳の戸邊直人(JAL)と北口榛花(日大4年)は今季日本新をすでに出していて、自己記録も参加選手中トップでゴールデングランプリに臨む。
 男子棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車)と橋岡優輝(日大3年)は、ともに日本歴代2位記録を持ち、今季の日本記録更新に意欲を見せている。山本は昨年のアジア大会の、橋岡は今年のアジア選手権の金メダリスト。勝負強さも“アジア”で実証済みだ。

●今季日本新を出している戸邊の強さとは?
 戸邊が2月に、ヨーロッパの室内競技会で見せた高さと強さは圧巻だった。
 初戦(2月2日)のカールスルーエ(ドイツ)で2m35と、日本記録(2m33=醍醐直幸)を13年ぶりに更新した。2m35は今季室内世界最高でもある。その後も2m33、2m29、2m34で室内大会4連勝。そのうち3試合が国際陸連のワールドインドアツアー(WIT)だった。WITは各試合の優勝者に10点が与えられ、得点の良い3試合の合計ポイントでツアーチャンピオンが決定する。戸邊は30点で、WIT初の日本人総合優勝を果たした。
 記録だけでなく、勝ち続けたところが戸邊への期待を膨らませた。走高跳は5cm刻み、高くなると3cm刻みや2cm刻みでバーを上げていくが、そのときの高さを単に跳べばいい、という種目ではない。1つの高さで2回まで失敗が許されていることを(3回連続失敗すると競技終了となる)、どう有効に活用するか。同じ高さで競技が終了した場合、少ない試技数で跳んだ選手が上の順位になるが、戸邊は「そのシーンを試合中、どの高さで出すかが重要」だと話す。
 例えば自身の体調や、技術的な狂いで本来の跳躍ができない試合もある。そういった場合、低い高さのときに強引にクリアするのではなく、失敗になっても技術を確実に修正する試技を入れることもある。そうして修正して、勝負どころの高さを1回目の試技で跳べば勝利につながる。
 ヨーロッパの室内連戦でも試合の中で技術修正を行い、昨年のアジア大会金メダリストの王宇(中国)にも3連勝した。
 2018年までの戸邊は、屋外では2m32を跳んでいたものの、室内では2m26がベストだった。試合会場ごとにサーフェスの硬さや、ボードのたわみ方が微妙に異なるのが室内競技会である。そこに苦戦したが、今季は多くの会場で対応できるようになった。
 戸邊は屋外のサーフェスはそこまで気にならないが、硬い会場には苦手意識が少しあった。ヤンマースタジアム長居も硬いサーフェスとして知られているが、昨年のゴールデングランプリに2m30で優勝した。戸邊が色々な種類のサーフェスに対応できる選手になったことを実証した大会だった。

●2週間前に長居で日本新を投げた北口
 今年の男子走高跳は室内で2m35と、戸邊と同じ自己記録を持つM・ファシノッティ(イタリア)、2m34が自己記録のJ・ダフィールド(米国)、そして静岡国際で2m30の自己タイを跳んだ衛藤昂(味の素AGF)らとの優勝争いになる。
 衛藤の勝負強さも研きがかかっている。記録やダイヤモンドリーグなど海外試合での実績では戸邊に及ばないが、直接対決では互角の戦いを続けているのだ。
 昨年以降の直接対決は5月のゴールデングランプリは戸邊、6月の日本選手権は衛藤、8月のアジア大会は戸邊、そして今年4月のアジア選手権は衛藤と、1試合毎に勝ったり負けたりを繰り返している。
 戸邊、衛藤ともに世界陸上ドーハの標準記録(2m30)は跳んでいるが、5月から有効期間に入った東京五輪標準記録(2m33)はまだ跳べていない。それは外国勢も同じ。優勝記録は最低でも2m33にしたいし、できればその高さを複数の選手が成功するのが理想的だ。2m36にバーが上がれば、外国勢にとっては自己新、日本勢にとっては日本新への挑戦となる。
 女子やり投は5月6日の木南記念で64m36の日本記録をマークした北口榛花が、優勝と65m台を目標に出場する。
 今年は中国が67m台の記録を持つ呂会会と劉詩穎ではなく、若手の蘇玲丹と余玉珍を送り込んできた。北口が自己記録でもシーズンベストでも参加選手中トップ。これまでゴールデングランプリは、外国勢や前日本記録保持者の海老原有希(現スズキ浜松ACコーチ)に思い切り挑んでいく大会だったが、今年はV候補筆頭の立場になった。
 だが大会との相性も、会場との相性も北口とは良い。
 3年前の大学1年時にゴールデングランプリ(会場は川崎)に出場した北口は、ジュニア日本新記録となる61m38をマーク。外国勢とも互角の勝負を演じて3位に食い込んだ。そして今大会が行われるヤンマースタジアム長居は、2週間前に日本新を投げた会場である。再び日本記録を投げて勝つ可能性は、5割以上と期待したい。
 そのためには「前半から62~63mを投げていくこと」だと北口は戦い方をイメージしている。木南記念では3投目まで59m54で、4投目が63m58だった。五輪&世界陸上では前半に62m前後を投げないとベスト8に残れない。前半に63m前後を投げれば、後半の試技で65m以上を狙っていける。五輪&世界陸上本番で65mを投げれば、メダルも可能な数字である。
 ゴールデングランプリに勝つことが、メダルへの第一歩となる。中国の若手2選手も、ともに今季62m台の自己新と勢いがある。記録更新は風などの気象条件の影響も大きいが、中国勢との勝負には確実に勝っておきたい。

●日本新に意欲を見せる山本と橋岡
 男子棒高跳の山本聖途と走幅跳の橋岡優輝が、日本記録更新に意欲を見せている。2人の自己記録と日本記録は、山本が5m77(室内)と5m83、橋岡は8m22と8m25である。自己記録では2人とも参加選手中トップではないが、日本記録を更新すれば勝てそうな状況だ。
 山本は昨年のアジア大会金メダリスト。
 今年4月のアジア選手権こそ5m51で7位に終わったが、帰国後の織田記念に5m61で優勝すると、アジア選手権と同じドーハで行われたダイヤモンドリーグでも5m61で3位に入った。ダイヤモンドリーグの3位は記録以上の価値がある。
 冬期はヒザの軽い故障で走り込み不足だったため、「コンディションが上がってくるのは日本選手権(6月)以降かもしれません」と織田記念優勝時に話していたが、ダイヤモンドリーグの結果は予想以上に状態が上がっていることを示している。
 今季の記録的な目標は「最低でも日本記録更新」と定めている。ゴールデングランプリで5m80以上のバーに挑戦するシーンが見られる可能性はありそうだ。
 アジア選手権の男子走幅跳に優勝した橋岡は、昨年のU20世界陸上の金メダリストでもある。アジア選手権がそうだったように、試合中は勝負に集中する。6回目に8m22を跳んでトップに立ったときも、中国選手の試技が残っていたため笑顔を見せなかった。
 優勝が決まってスタンドに向かって喜んだが、今度は日本記録との差に気づき「うわ、3cm届かなかった」と悔しさが込み上げてきたという。
 ゴールデングランプリも8m27の記録を持つJ・ゴッチ(米国)や、英国代表歴を持つD・ブランブルら同レベルの外国勢が出場する。アジア選手権は4位だったが林佳興(台北)は、今季自己記録を45cmも伸ばしている。アジア選手権のように、外国勢とのシーソーゲームが展開される可能性もある。
 記録狙いというより、国際試合での橋岡の勝負強さに期待したい大会だ。それが8m20台、さらには8m30台の大ジャンプにつながるのではないか。

写真提供:フォート・キシモト

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