アスリートが現役を終えて引退した後、次のキャリアに課題を抱えることは「セカンドキャリア問題」と呼ばれている。

アスリートが現役を終えて引退した後、次のキャリアに課題を抱えることは「セカンドキャリア問題」と呼ばれている。日本は競技に集中することを強く求めるので、現役時代に社会との隔絶が大きく、引退して迷うことも多い。セカンドキャリア問題は大きく分けて二つある。キャリアが特殊なので仕事が見つけられず、食べていくのに悩むというものと、次に何を目標にしていけばいいのかが見つからなくて悩むというものだ。企業に所属しているアマチュア競技では後者の方が多い。そして人生の次の目標を見つけるということは、引退後にすぐ解決するような問題ではない。

 私は「サードキャリア」を中心に引退後のキャリアを考えることを提唱したい。サードキャリアは引退してすぐではなく、その次のキャリアのことと定義したい。セカンドキャリアの最大の課題は、ほぼ仕事の経験がない人間が、自分に合う仕事を探しているところにある。それはいくら考えても時間の無駄なので、まずは「セカンドキャリアは信用できる人に任せる」ぐらいでいいと思う。それで数年間働いてみて、少し社会と仕事が見えてきたタイミングで自分のキャリアを考えた方が結局は効率がいい。

 自分の軸というものは、いろんな経験をしてそれらを比較しながら見つけていく。少なくともAとBという二つの経験さえ手に入れれば、どっちに自分の考えは近いかという比較ができる。一つしかないと比較できないので判断がしにくい。アスリートの人生は、経験の幅が極端に狭く、極端に深い。だからぴったりはまるものに深くコミットするのは得意だが、広い視野を持って選択をすることが苦手だ。

 2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、幸か不幸かスポーツ界に大きなサポートの風が吹いている。それは同時に20年までに本来引退するはずだった選手たちの現役を延ばす効果も生んでいる。かつ「せっかくの自国開催だから」と選手には競技に集中する環境が提供されていて、社会との隔絶がより進む恐れもある。20年以降はそのようなサポート体制は維持できないだろうから、セカンドキャリアに悩むアスリートが多く生まれるだろう。その時にはセカンドキャリアよりもサードキャリアを経験しているアスリートの体験談の方がより学びになるのではないかと思う。

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)